世界中にファンがいるリバティ・プリント。
その本体であるリバティ社がロンドンに最初のお店をオープンさせたのが1875年。つまり、今年は創業150周年ということになります。
日本でリバティと言えば、やっぱりファブリック。毎シーズン、新作を楽しみにしている方も多いと思います。
リバティ・プリントのデザインはUKデザインの流行を意識しつつも、華やかで独創的なデザインで、年齢を問わず、幅広い層に人気があります。
なかでも、アール・ヌーボーはリバティの代名詞。というか、アール・ヌーボーがリバティの代名詞ですかね。そのデザインを100年以上経った今も、現代的たオリジナル作品として復活させています。
そのリバティが150周年。
その幕開けとして発表された春夏コレクションが「Retold(リトールド)」です。英語でretellの意味から考えると、直訳で”再び語る”って感じでしょうか。コレクションのテーマそのものは演劇の世界となっています。
“The Stage”, “The Cast”, “The Audience”, “The Next”の4部構成。演劇をテーマにしているだけに、いずれも華やかなショーや個性的な役者を際立たせるような、リバティらしいデザインが、現代的に蘇ります。まさにまさに“Retold”です。
The Stage act of Retold
ROSETTI’S GARDEN(ロゼッティズ・ガーデン)
1910年代に発表されたアール・ヌーボーのポピーをドラマチックに表現したデザイン。
The Cast act of Retold
PRU ROSKROW(プルー・ロスクロー)
1990年にデザイナーのプルー・ロスクローが発表したアート作品の一つがベースとなっている、パンジーのメドレー。
The Audience act of Retold
ARUNDEL(アランデル)
1963年に発表されたペイズリーを、トロピカルで現代的なデザインにしたデザイン。
The Next Act of Retold
EDENHAM HAZE(エディナム・ヘイズ)
1994年に発表されたデザインを再構成し、ゼラニウム・アジサイ・バラ・ワスレナグサの切り絵のようなデザイン。
とりあえず、個人的な趣味で4点セレクトしましたが、まだまだたくさんあります。
一方で、輸入ファブリックですし、シーズンモノですので、ゆっくりしていると、どんどん売り切れになってしまう恐れも。
ステキなデザインばかりですから、シンプルなギャザースカート(ウェストゴムでもいい! ペチコートを用意すれば)とか、定番の小物など、いろいろ作りたくなりますね。
ちなみに、本格的なソーイング本も発刊されるようです
阿部真理『リバティプリントで楽しむ私の服作り』文化出版局
作者の阿部真理はリバティを使ったオリジナルファッションブランドMari Abe(ma・rerura)のオーナーデザイナー。
3月21日発売予定ですが、amazonで予約できます。楽しみですね。
追記:
ロンドンのリバティ百貨店は、日本のデパートのイメージとは大違い。チューダー様式で、ARTS & CRAFTSの歴史的建造物として有名な重厚な建造物のお店だからです。デパ地下はないし、美術工芸品や雑貨、インテリア、アパレルなどがメインと言っていいでしょうか。英国王室御用達です。